キナバタンガン川の遡上で、
僕たちはたくさんの生き物をみた。
![ボルネオの美しい蜘蛛(Opadometa sarawakensis)](https://i0.wp.com/neopic.net/wp-content/uploads/2023/07/14クモマレーシア2018-2-1.jpg?resize=2000%2C1500&ssl=1)
短い滞在の半分以上が、
カヌーによる動物観察だ。
それは、ボルネオ島の生き物たちが
鬱蒼としたジャングルの中では、
完全にカモフラージュとなっていて、
野鳥一羽でさえも
森の中から観察することは難しい
という現実があったからだ。
特に野鳥を観察する場合、それは顕著になる。
太陽の眩しさにやられ、
すっかり汗をかき、クタクタになった。
ロッジまでのちょっとした坂道が堪える。
そんな中、ボートから少し離れたところに佇む
数羽の鳥が気になった。
茂みを掻き分け、進んでいく。
しかしかなりの音を立ててしまっていた。
普通なら逃げてしまうように思ったが、
意外にもそのまま佇んでいる。
そのプライドの高さには、心当たりがある。
案の定、ボルネオのカンムリワシであった。
カンムリワシ自体は船で何度も観ていたが、
森の中で出会った鳥の中で、一番大きい。
ワシは、横着にも目だけをこちらに向け
僕をしっかりと見つめていた。
![ボルネオカンムリワシ ボルネオ島にて](https://i0.wp.com/neopic.net/wp-content/uploads/2023/07/8カンムリワシマレーシア2018-.jpg?resize=1500%2C2000&ssl=1)
その視線に、
ピリついた雰囲気を感じ取っていた。
普段、こういう時に
写真を撮るということはしないのだが、
がっしりとした肩幅と、
その視線が美しかった。
タカの吸い込まれそうな視線は、
何度経験しても、
慣れることはないだろう。
鷹の目というのは、
それだけ、生き生きとしている。
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