アリという生き物の多様性。
ツムギアリをはじめとして、小さな小さなアリまで、
何種類いるのだろうというくらいに、
アリに遭遇する。
ある夜ホームステイしていた宿でサイダーを飲んでから寝ると、飲みかけの缶には数ミリの黒いアリがびっしりとついていた。
朝、僕はそのアリたちを、
サイダーごと飲み干してやった。
朝ごはんを食べるテーブルなどはなく、
みんなで床を囲んでチキンを頬張るも、
その床にも勿論アリは歩いている。
それくらいボルネオ島には沢山のアリがいるのだ。
朝食を済ませた後、村を出て歩き、
低木を凝視してみる。
すると、とても興味深い生き物に出会った。
アリに擬態するクモ、”アリグモ”のようだ。
ツムギアリ擬態なのか赤いアリに似た体をしていて、歩き方もアリそっくり。
前脚を触覚に見立て、常に万歳をするような形で、こちらを見つめてくる。
すぐ隣には、アリに擬態する小さなカマキリも。
このカマキリは、幼虫の頃は
黒いアリに扮しているといわれていて、
成虫になると、緑色のカマキリになるらしい。
アリに擬態するとどんなメリットがあるのかは、
アリを食べるためだったり危険なアリに化けて鳥に襲われないためだったり、あるいは両方だったりとても複合的な要因なので、解明するにもしきれない。
だけど熱帯に行くと、
アリに擬態する生き物も確かに多くなる。
それは、
熱帯のアリの多様性がそうさせているのだろうか?
何か因果関係があるように思えてならないのだ。
ボルネオ島でのアリという生き物の繁栄は、
それだけアリが強かな生き物であることを
表しているのかもしれないと、
その時感じたのだった。
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