こんにちは。
写真家の高橋レオです。
今回は検証ブログ。
茨城の田舎でモノサシトンボを撮影していて、
なんとなく気になったので記事にしてみました。
まどろっこしいブログの蔓延っている現代。
最初に結論を言っておきます。
オリンパスのカメラ内深度合成は、“画質では”フォトショ深度合成には勝てません。
「オリンパスの深度合成はどこまで使えるのかな?」という資料として必要な方に見ていただきたいです。
まずはこちらをご覧ください。
左がカメラ内深度合成、右はフォトショ深度合成です。
これを見て「何にも変わらないよ!」or「十分だよ!」という声の方が多いと思いますが、
オリンパス使用歴=写真歴の僕が、あえて厳しめに、分かりやすく、比較していきます。
強いて欠点を3つ挙げてみます。
- 写真がトリミングされてしまう
- ボケがうまく出ないことがある
- 一部分だけ合成されないことがある
一つずつ解説していきますね。
1:写真がトリミングされてしまう
これをデメリットとしてあげる人はあまりいないと思うのですが、大前提として書いておきます。
僕はフルサイズのカメラも使用したことがあるけど、オリンパスのカメラは極めて高画質です。
しかしそれはあくまでも「オリンパスの能力を最大限に引き出せた場合」の話。
驚くかもしれませんが、この写真は換算600mmの望遠レンズ『M.ZUIKO 300mm F4 PRO』を使用し、
ノートリミングで合成しているのです。
ノートリで寄ることができるのは、オリンパスの強み。
仕様とはいえ、その強みを自動的に相殺してしまうのはもったいないのです。
そのまま整列、合成してしまうフォトショ深度合成の方が当然画質は良くなりますから、
画質だけならフォトショの勝ちでしょう。
2:ボケがうまく出ないことがある
これは合成する際にフォトショ深度合成でもよくあることなのですが、
ボケが不自然になりがちです。
オリンパスの場合、自動でシャープ処理、ノイズ処理などをかけてしまう使用上、
ボケが1枚撮りよりもゴワゴワしたり、色ムラが起きやすくなります。
JPEG保存なので複数枚深度合成し、うまくいったものをチョイスするしかありません。
3:一部分だけ合成されないことがある
左はカメラ内深度合成、右はフォトショ深度合成です。
一枚目はノイズの処理やシャープ処理を全てカメラ内でやってしまうので画質は少し劣ります。
今回は合成がうまくいかなかった場所にフォーカス。
カメラ内深度合成の方が被写体とそうじゃないところの境界がゴワゴワしてしまい、
拡大するとその違いがはっきり分かります。
結論:フォトショはやっぱりすごいよ。
こればかりは語彙力の低下も納得。
しかし画質では勝てないと言っているように、
カメラ内で深度合成の設定を細く設定し、
撮影できるのはオリンパスくらい。むしろオリンパスが健闘していることがすごいんです。
オリンパスを使っている人は、
カメラ内で深度合成を完結させるのではなく、複数枚深度合成撮影した後、
合成前のRAW写真を保存しておくことをお勧めします!
そうすれば、帰ってから致命的な合成ミスを見つけても、フォトショで合成できます。
いつもそうやってことなきを得てきましたし、その経験を記事にまでしてしまった僕がいうのですから、間違いありません。
オリンパスの深度合成は帰ってから深度合成する時のイメージを膨らませてくれる。
現地で、完成形をある程度見せてくれるという安心感。
家に帰ってから「もっとブラケットの間隔空けておけばよかったなあ」とか後悔せずに済むので、とても便利なのです。
オリンパスで深度合成したことない人はとても勿体無いので、ぜひ遊んでみてくださいね。
え?そもそも深度合成って何?って声が聞こえてきたましたね?
仕方ない、近々オリンパスの深度合成のやり方とフォトショの深度合成のやり方を解説する動画でも出しましょう。
ではまた!
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