写真家の高橋レオです。
いつか、東京でやると多方面には話していた。
それが突然決まったのは、2022年の3月の事。
ギャラリーオーナーの服部さんに誘われて、
去年の札幌で行われた個展「北海道の生命」を東京の日本橋でやる事になった。
「写真展は何回やったって良いんだから、初めての東京の個展だからって、ガチガチに緊張しなくても良いんだよ。」
写真展が近くなり始めた頃、ある方にそう言われたけど、ドキドキはするもので、僕は写真展をやる事自体は手慣れていたものの、展示の準備が当日の朝になってしまう事がなによりも不安だった。
写真展当日は蒸し蒸しとした典型的な東京の夏といった感じ。
6月に北海道に居た時とは全く違う、東京の夏の本気。
僕は夏が大好きなので、この夏を思う存分楽しむことができる。
なんだかんだで7月後半から8月も撮影で北海道に行かなくてはいけないので、今はこの夏を味わいたいなと、設営しながら思っていた。
思えば設営も全て自分でやったのは、久しぶり。ギャラリーに来てくれた人が、北海道の生き物について少しでも興味を持ってもらえるよう、生き物が多めだった。
僕も服部さんも昆虫が大好きなので、昆虫も忘れずに入れることにした。元はと言えば、3月に行われた昆虫の写真展に僕が参加したことがきっかけで、このギャラリーをオファー頂いたのだから、そこは欠かせたくない。
僕は生き物を魅せる時に、なんでもかんでも可愛く取り繕ったりするのはあまり好きではなくて、かわいい動物はより可愛くするのがもちろん写真家の努めだが、例え俗に言う「キモい」生き物であっても、そのキモさは存分に発揮させたいのだ。
生き物にはそれぞれの良さがあるのだから、その良さをそのまま引き出せば良い。
それで僕の作風が定まらないとしても、被写体の”本来の”良さが浮き出ないのは僕のポリシーに反するのだ。
自然写真家とは、そうでなければ、とまでは行かないが、これは僕のこだわりだから、これをやらなくなったら、僕ではない。
僕の中にある北海道や、北海道の中にある自然の一般的な意見、海外から見た北海道の自然、多面的に見せることができたら。
それはもしかすると、主役がわからないから、抑揚に欠けるものかもしれない。僕自身北海道を撮っているだけに過ぎないから、仕方のないことだと思う。
僕は絵を描いているわけではない。北海道の自然を観ている人でしかないから、その距離感が、「北海道の生命」にも反映されているのだと思う。
しかし、例え何かの道のプロフェッショナルになりきれなくても、この「距離感から」しか伝えられない大筋があると、僕は信じている。
今伝えたいのは、北海道の大きさ。そして僕の次の作品への説明となる要素である。この作品は、地図である。
僕と北海道を繋げ、
お客さんと僕をつなげてくれる。
そんなロードマップになるはずだ。
また写真展、必ずやります。
服部さんが僕にくれた、
たくさんの繋がりを
僕もいつか誰かに繋げられますように。
写真集、完成待っててくださいね。
それではまた。
したっけ。
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