学名:(Salamandrella keyserlingii)
分布
カザフスタン北部、中華人民共和国北東部、朝鮮民主主義人民共和国北部、日本(釧路湿原)、国後島、色丹島、モンゴル、ロシアに分布。北海道内の分布が限定的であること、分布境界線である八田線(宗谷線)よりも南に分布していることから人為分布とする説もあったが、分子系統学的解析から在来種と考えられている。日本には鮮新世後期から更新世前期(1,900,000-1,700,000年前)にサハリン島経由で渡ってきたと推定されている。
生態
魚やエゾサンショウウオなどの天敵がいない湿地、水溜りのようなところに生息している。昆虫やクモ、ヨコエビを食べる。幼生のまま越冬せず、7-8月には変態し幼体になる。オスは生後2-3年、メスは生後3-4年で成熟。
卵嚢の形状はバナナ状で、青白く光る。
釧路湿原の牧草地化や宅地開発、運動公園の拡張による生息地の破壊、水位低下、道路建設による生息地の分断などにより生息数は減少している。釧路湿原では約90か所の生息地が確認されていたが、そのうち30%で絶滅あるいはほぼ絶滅したと推定されている。(東アジアの有尾類 第13回 サンショウウオ科 キタサンショウウオ」『クリーパー』第66号2013年 引用)