学名:(Aromia moschata orientalis

ジャコウカミキリの写真:2018年6月撮影高橋レオ
2018年6月撮影:高橋レオ

分布

日本では北海道のみに分布する。

生態

アオカミキリ属特有の柑橘系の匂いを放つ。

7月中旬~8月にポプラ、ドロノキ、ヤマナラシなどのヤナギ類の生木で見られる。

本州以南にはクビアカツヤカミキリという外来種が生息しており、前胸背板の朱色は近似している。

私見

北海道の夏、ヤナギの上を歩く本種を見つけた。

オスとメスが歩いているところを驚かさないように近寄って、M.Zuikoの60mmマクロレンズで撮影した。真上から太陽が降り注いでいる時間帯だったが、木の根元の日影が気持ちよく、ちょっとした癒しになった。

まだ大学生だった頃、僕は大学の近くにどんな生き物がいるかを念入りにチェックすることが趣味で、この写真も大学の敷地内で撮影した貴重な一枚。今、あの場所はどうなっているのだろうか。平日も、休日も晴れている日は必ず森へ入った。単位はいつも取れればよかった。本気で写真をやろうと思い立ってからの二年はとても退屈で、四年間はとても長く感じたが、いま思うとあの時間が僕の基盤となってくれた。あんなに自分のことを考えたことはなかったし、写真のことを考えられた時間は、もう手に入らないと思う。人生について考える時間が、四年もあったからこそ、決断できたことだと思う。もし大学に入らなかったら、社会のレールに乗らないなんて恐ろしくてできなかった。大学生の頃に撮影した写真には、そんな迷いや思い切りのなさが写真にも表れているけど、一方で俯瞰的というか、素朴な視点が良い。いま撮影するとしたら、太陽を入れたり、F値をあげて足までピントを入れてしまうかもしれない。

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