Nusa Tenggara Paradise-flycatcher
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2020
1
Nov
Nusa Tenggara Paradise-flycatcher

和名:カワリサンコウチョウ

英名:Nusa Tenggara Paradise-flycatcher

学名:Terpsiphone Floris

撮影地:インドネシア フローレス島


インドネシアのバリ島から、2つの島を船でまたいでやってきたフローレス島。

バリ島とその下のロンボク島には、ウォレス線という線が定義されていて、

そこから下の島々はインドネシアとオーストラリアの生き物が混ざるようにして独自の生態系を築いている。

 

インドネシアのかなり下に位置するので、どちらかといえばオーストラリアに近い。

乾季である8月の半ばに行った時には、周りはカラカラとした土地が広がっていた。

僕は必然と鬱蒼とした熱帯雨林が常に残されている場所はないものかと、現地に着いてからもインターネットで検索を繰り返し、

たどり着いたのがルテンという水田地帯。そこにはヨヴィという僕より5歳くらい年上の野鳥写真家がいて、

バードウォッチングで生計を立てているらしい。僕はその人に迷わず連絡した。

 

最初はサノグアンと呼ばれる大きな湖のほとりにある村に一人で向かったのだが、

そこには宿も電波もなく、完全に一人で撮影に没頭するには無理があった。

しかしその時バイクに揺られながらみた白いレースのような鳥を僕は忘れられなかったのだ。

 

それからというものの、

その鳥はルテンの森にも幾度となく現れたが、警戒して中々木の下の方まで降りてくれることはなかった。

ヨヴィと共に数日の間一緒に野鳥をテーマに撮影を続けた後、

一度行って断念したあのサノグアンにリベンジできることになった。

最後の2日を、強力な助っ人を加えて過ごせることになったのだ。

 

ついにチャンスが訪れたのは2日目の早朝。

ほとりにある大きな木に、あの鳥は現れた。

しかし撮影すればするほど高くへ行ってしまう。

おかしいとおもって後ろをみると、

そこには村の小学生たちが僕たちのことをニタニタと見つめていた。

観光客もほとんど来ないような村に、カメラを持った若者がいたらそりゃあ興味がわく。

「場所を移ろう、この子はもう降りてこない」ヨヴィはそう言って、

僕たちは歩き出した。

 

撮影始めてから3時間は経っただろうかという時、

突然真横にカワリサンコウチョウが現れた。

すぐ真横の木に止まったのである。

しかし盛大な枝被りで、体はおろか、頭さえもよく見えない。

だからと言って自分が動けば鳥は逃げてしまうだろう、そんな距離と緊迫感。

「ならいっそ、この長い長い尾羽を写してしまえばいいか」

一種の諦めで切ったシャッターだった。

顔も見えない鳥の写真を撮るなんて、

ましてやそれを作品として見せるなんて、これから先何回あるだろうか。

しかしこの一瞬が、

カワリサンコウチョウと出会う最後のチャンスとなった。

 

 

次は飛翔写真を撮影したいと思っている。

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2020
1
Nov

Nusa Tenggara Paradise-flycatcher

和名:カワリサンコウチョウ

英名:Nusa Tenggara Paradise-flycatcher

学名:Terpsiphone Floris

撮影地:インドネシア フローレス島


インドネシアのバリ島から、2つの島を船でまたいでやってきたフローレス島。

バリ島とその下のロンボク島には、ウォレス線という線が定義されていて、

そこから下の島々はインドネシアとオーストラリアの生き物が混ざるようにして独自の生態系を築いている。

 

インドネシアのかなり下に位置するので、どちらかといえばオーストラリアに近い。

乾季である8月の半ばに行った時には、周りはカラカラとした土地が広がっていた。

僕は必然と鬱蒼とした熱帯雨林が常に残されている場所はないものかと、現地に着いてからもインターネットで検索を繰り返し、

たどり着いたのがルテンという水田地帯。そこにはヨヴィという僕より5歳くらい年上の野鳥写真家がいて、

バードウォッチングで生計を立てているらしい。僕はその人に迷わず連絡した。

 

最初はサノグアンと呼ばれる大きな湖のほとりにある村に一人で向かったのだが、

そこには宿も電波もなく、完全に一人で撮影に没頭するには無理があった。

しかしその時バイクに揺られながらみた白いレースのような鳥を僕は忘れられなかったのだ。

 

それからというものの、

その鳥はルテンの森にも幾度となく現れたが、警戒して中々木の下の方まで降りてくれることはなかった。

ヨヴィと共に数日の間一緒に野鳥をテーマに撮影を続けた後、

一度行って断念したあのサノグアンにリベンジできることになった。

最後の2日を、強力な助っ人を加えて過ごせることになったのだ。

 

ついにチャンスが訪れたのは2日目の早朝。

ほとりにある大きな木に、あの鳥は現れた。

しかし撮影すればするほど高くへ行ってしまう。

おかしいとおもって後ろをみると、

そこには村の小学生たちが僕たちのことをニタニタと見つめていた。

観光客もほとんど来ないような村に、カメラを持った若者がいたらそりゃあ興味がわく。

「場所を移ろう、この子はもう降りてこない」ヨヴィはそう言って、

僕たちは歩き出した。

 

撮影始めてから3時間は経っただろうかという時、

突然真横にカワリサンコウチョウが現れた。

すぐ真横の木に止まったのである。

しかし盛大な枝被りで、体はおろか、頭さえもよく見えない。

だからと言って自分が動けば鳥は逃げてしまうだろう、そんな距離と緊迫感。

「ならいっそ、この長い長い尾羽を写してしまえばいいか」

一種の諦めで切ったシャッターだった。

顔も見えない鳥の写真を撮るなんて、

ましてやそれを作品として見せるなんて、これから先何回あるだろうか。

しかしこの一瞬が、

カワリサンコウチョウと出会う最後のチャンスとなった。

 

 

次は飛翔写真を撮影したいと思っている。

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