
和名:チャイロハチドリ
英名:Brown violetear
学名:Colibri delphinae
撮影地:エクアドル
ハチドリこそ、僕が一番南米でお目にかかりたかった生き物たちと言ってもいいかもしれない。
生き物の沢山いるジャングルに滞在するというのは、日本ではあまり馴染みがないものだが、赤道直下ではわりと盛ん。
ジャングルリゾート目当てでやってくるバックパッカーもそうだが、ヨーロッパで学業のひと段落した若者は、こういった観光地で何月か働いたりする。
(日本は大学に通いながら就職先を探したりするけれど、こういった旅に出ていると、各国それぞれの「常識」のようなものが確かめられるので面白い。)
このような自然を題材にした観光業をエコツーリズムと総称して呼ぶ。ハチドリは誰がみてもかわいい鳥だから、ちょっと山の宿に行けば、ベランダにバードフィーダー(餌入れ)が置いてあって、そこにいるだけでハチドリが沢山寄ってくる仕様となっている。
僕は基本的に動物の餌やりには反対だけど、生き物をみて、お客さんが観光地にお金を落としていく構造は、資本主義である以上仕方のないことかなと思う。
そういう僕も、自然を見るためにかなりのお金を落としてきた。
そこに本当の自然はないかもしれないけど、餌入れに寄ってくるハチドリを観た一般観光客が、「もっと自然に生きるハチドリがみたい」と言い出して、気づいたら自然大好きのバードウォッチャーになったとしたら、どうだろうか。
僕は小さい頃、アリの飼育キットをご近所のおばさんに貰って、生き物が好きになった。
そんな機会が、
誰にだって必要だと考えている。
このチャイロハチドリの写真も残念ながら、
森の奥深くで撮影した写真ではないけど、
「生き物を観る」という垣根を越えて、こうして様々なことを考え、思い出させてくれた。
僕はこれからも可能な範囲で、
生き物たちに迷惑をかけすぎないように注意を払いながら、この活動を続けていく。
「自然が好き」という種は、
みんなの心のどこかに必ず植わっていると、
信じている。