エゾアカヤマアリヤドリコマユバチ(早口言葉)

どうも、げんごろうです。

8月18日〜28日にかけて僕は、友達の実家である知床の羅臼にお邪魔させていただいたのだが、友達と登った羅臼岳で、とても面白い発見をした。

8月20日、朝9時頃に出発し「この時間じゃあ頂上は無理かもね」と話しながら山を登った。

辺りの景色、生き物たちに目を向けての登山を楽しみにしていた僕は、日本百名山の羅臼岳に登れるということで、特に気にする事もなく。

12時頃、海が見える見晴らしの良い場所に出た。この砂と岩場の混じった環境に、なにやら赤いアリがたくさん群れている。大きなコロニーだったので、すぐにエゾアカヤマアリだとわかった。

エゾアカヤマアリ

Formica yessensis-

シベリア、中国、韓国に分布し、日本では北海道から本州中部の山地に生息する。数万匹のスーパーコロニーを形成し、土や針葉樹の葉で蟻塚を作ることで知られる。

ヒョウモンチョウなども飛んでいて、写真から分かる通り日当たりが良くミズナラなどが生えている。

最初はエゾアカヤマアリがキマワリを狩る姿を撮影しようとしていたのだが、構図を考えているうちに、何か妙なハチが飛んでいることに気がついた。

ハチの姿形からして、寄生蜂であることがなんとなく予想できたが、果たしてこのハチはキマワリとエゾアカヤマアリ、どちらに卵を産み付けようとしているのか?

知っているのはチョウやハバチの幼虫に卵を産み付けるものばかりだったので、かなり驚いた。

採集なども禁止されている地域なので、写真だけが頼りであった。しかし、30分ほど観察をしていたがどうしても産卵行動は見られなかった。流石に友達を待たせるわけにもいかない。

寄生蜂にエゾアカヤマアリがお尻を持ち上げているベストショットを捉えることが出来、なんとなくアリに寄生しようとしている説が有力になったところで、再び登り始め…

下山した時には、既にハチの姿は無かった。

昼食に食べたウニおにぎりで腹を下し39度近い熱を出したことはさておき、羅臼旅行はステキな出会いに恵まれた旅であった。

さて。札幌へ帰ってからいくつか本やネットで調べてみたものの、確証のようなものは得られなかった。

身寄りの人にも聞いてみたが一向にわからず、もどかしかったので思い切ってアリを同定してくださることで有名なTwitterのヒアリ警察さんに話を伺ったところ、なんとあっさりと答えが出てしまった。すごい。

neoneurus属は、未だに見つかっていない種、生態が詳しくわかってないものが多く、不思議に包まれた昆虫だ。

寄生、共生し、アリを利用して生きる昆虫達はとてもユニークで面白い。アリヅカコオロギの様に巣に居候し餌を拝借するものから、アリノタカラカイガラムシとミツバアリのかけがえのない共生関係など、話し出したら止まらないが、これらの種は好蟻性昆虫と言われており、今日も次々と新種が見つかっている。

ゴマシジミという蝶の幼虫は、甘い蜜をお尻から出す事で自らをシワクシケアリの巣に運んでもらうのだが、巣の中に運び込んでもらってからは肉食性となり、アリの幼虫を食べて育つという、非常に強かな生態を持つことで知られる。コチラは鱗翅目と膜翅目の関わり合いである。

対して今回僕が観察したエゾアカヤマアリヤドリコマユバチエゾアカヤマアリは同じ膜翅目。進化の過程で羽を残したハチと、羽を落とし地に進出したアリが、長い時間をかけてライバルのような関係を築くまでに、どのような経緯があったのだろうか。

好蟻性昆虫やツノゼミの研究者として有名な、丸山宗利氏を含め、様々なアリ愛好家が手がける本、

【アリの巣の生きもの図鑑】

皆さんも是非読んでみてね。

[追記]

ちなみに、僕のホームページのヘッダーは、ページを移動する毎に写真が変わる仕様になっている。何分の1の確率かはわからないが、その中にはエゾアカヤマアリがコマユバチにお尻を上げ威嚇する様子を捉えた写真が掲載されているので、見られたらラッキーかも。